葉 隠
このサイトのタイトルにも使わせてもらった「葉隠」

この葉隠という本の正式なタイトルは「葉隠聞書」(はがくれききがき)といいます。

「葉隠聞書」とは佐賀鍋島藩の山本常朝(やまもとつねとも)が話した談話を、田代陳基(たしろつらもと)が書いた武士道論書で
全11巻からなっている本です。

1716年ごろ出来上がったらしく、鍋島藩を中心とした逸話・逸聞・逸事などを書いた本です。

有名なのが「武士道と云うは、死ぬ事と見付けたり」


管理人ハガクレは、中学生くらいの時に、このフレーズを知り
「なんてカッコイイ言葉なんだ!」と、ひとみみぼれ(?)

たまたまその頃、日本文学を読むのがマイブームでした。

なぜ日本文学?というと、そんな本を読んでる自分がかっこいいじゃーん♪というミーハー心から。

そのミーハー文学少女(?)のハガクレが読んでいた本の中で
結構好きだったのが「三島由紀夫」

そしてなんと!その三島由紀夫が「葉隠」を絶賛しており
「葉隠入門」なる本を書いていたのです!!


早速読んでみましたが、中学生には難しすぎました(^^;)

その後もずーっとワタシの心の中には、なんとなーーーくとしか理解できていなかった「葉隠スピリッツ」が奥底に潜んでおり、大人になってから改めて読んでみました。

やっぱりいい本でした・・・(笑)

武士道サイコーです!!!
(ちなみに新渡戸稲造の武士道もいいよ!)


そんな管理人ハガクレが、現代人にも通ずる「葉隠スピリッツ」を、
ワタシなりのミーハー解釈にて紹介します!!

ちなみに紹介するのは、ハガクレの好きな部分だけをチョイスしてます(笑)


葉隠について
葉隠とはそもそもナンダ?

これには4つの憶測があります

@西行法師の歌からとった
A自分を犠牲にしてこそ真の奉公だという心を葉隠と言ったから
B作者・山本常朝の庵の近くに「はがくし」という柿があったから
C鍋島藩の居城に木が多くて葉っぱでお城が隠れてたから葉隠

とまあ、このように言われてます

作者の山本常朝について

佐賀二代目藩主・鍋島光茂に仕えていました。

先祖代々仕えており、常朝もとても信頼されていました。

が、42歳の時に光茂が死んでしまい、「主君が死んだのであればワシも死ぬ!」と殉死(後追い自殺)しようとしてたんですが、主君の光茂が「ワシが死んでも、絶対に殉死するな!もししたら家名断絶にするぞ!」と言ったため、殉死できなくなってしまいました。

しかたなく常朝は出家し、隠居生活に。

そして1719年10月10日 61歳で死んだのでした。

さてさて、この常朝が隠居生活に入った10年目の春

佐賀藩士である青年・田代陳基が遊びにやってきました

そこで常朝が語ったことを、田代陳基は書き残していたのです。

田代陳基は7年の歳月をかけて、常朝が話してくれたことを11冊の本にまとめました。

1巻・2巻は常朝の教訓
3・4・5巻は藩祖である鍋島勝茂など、主君達の言葉
6・7・8・9巻は佐賀藩のこと
10巻は他の国の武士のことで、11巻は10巻で書き足りなかったことを書いたもの

が、常朝は田代陳基に「その本は火で燃やしてくれ」と命じました

田代陳基はそれを燃やしたフリをして、密かに保管

それがいつしか佐賀藩士の間で筆写されて、結局「葉隠」は
「鍋島論語」などと呼ばれるようになり、尊重されていくのでした




武士道と云うは 死ぬことと見付けたり     
武士道とは「死ぬこと」なのです。

死ぬと生きるの二つを選べということになったら、迷わず死ぬ方を選べ!というものです。

人間、もちろん死にたくない。死ぬより生きるほうがいいに決まってる。

が、生きる方を選んで失敗してぐずぐず生きて「腰抜け」と罵られるより、「死」を選んでいれば、事を打ち損じて失敗し「あいつ犬死だよな」と罵られても恥ではない。

いつであろうと「死を覚悟している」というのが武士道なのであります


自分の能力の限界を知ること
人はわずかな知恵しかないのに、そのわずかな知恵でものごとを全て解決しようとするからダメなのです。

自分に良い知恵がなければ、他の人の意見を聞いてみること。

自分の知恵には限界があるのです。

人に意見をする時の心得
人は人に意見をする時、相手の耳が痛くなるようなことを言ってあげるのが本当の意見なのです。

が、それを相手に「なんだよあいつ!エラソーに」と思われたとしたら、それは自分の力が足りなかったのです。

だから常々相手に信頼されるような自分でなければならないのです。

自分の失敗談を話したりして、相手の気持ちを導きつつ、そして相手の欠点を直していくようにするのが「意見」なのです。

明日のことは前の晩から考えておく
明日のことはいつも前の晩から考えてメモっておくこと。

きちんと予定をたてておくことが大事なのです。

例えば大事な人と会う場合、その人の事を調べておくことが、人の和をはかることなのです。

そして高貴な場所に呼ばれたとき「あーイヤだなぁ。緊張するなぁ」と思うのではなく、「いやーこんな場所に呼ばれるなんてありがたいなー。さぞ面白いことがあるんだろうな」と思って行くほうが良いです。

水が清ければ魚は棲まず
あまりに綺麗すぎると、みんなはそこを嫌がります。

魚は藻があるから、そこに隠れて成長するのです。

あまりクリーンすぎると、人はかえってイヤなもの。ある程度は見逃したり聞き逃したりすることも大事なのです。

まず、勇気を持って始めてみよ
出来・不出来。つまり、うまい・ヘタなど気にするな!

気力があれば、それでいいのです。

上には上があるものです
自分の選んだ道に深く入れば、終わりのないことに気がつき「これで満足♪」ということはありません。

柳生殿は「人に勝つ方法など知らぬ。自分に勝つ方法だけを知っているのだ」と言ったそうです。

昨日より今日の方が上達した!今日よりは明日の方が上達する!といって、一生の間に日々仕上げていくものなのです

過ちの一つもない人間は信用できない
一度過ちを犯した人を「あいつは一回大失敗したからもうダメだ。使えないヤツだ」と捨ててしまうのはダメです。

一度間違った人は、その間違いを深く後悔します。

そういう人の方が、慎み深く行動するもので、信用できるのです。

自己満足をするな
「オレ、もう完璧だから!」と満足してはダメです。

心に区切りをつけちゃうことは良くありません。

日々、精進に精進をかさね「これでよし!」と思わず、「あれもこれも自分はまだ未熟だなぁ」と思い、一生それを捜し求め心から修行するべきです。

人から学ぶ心得
「オレって字が下手だなぁ」と思ったら、上手な人の字を手本にして練習すればいい。

武士も「良い武士」を手本とすればいいんだけど、最近は良い武士の手本がなかなかいない。

それなら自分で手本を探そう。

作法はアイツを手本にし、物のいいようはアイツを手本に・・・・と、それぞれの人の良いところを選んで手本にすれば良いのです

酒の心得
酒を飲みすぎて失敗する人はたくさんいます。

まずは自分のお酒を飲める量を知り、それ以上は飲まないようにするべきです。

しょげかえるべからず
知り合いが病気になってお見舞いに行った時のヒトコトはとても重要です。

「運が悪いねぇ」とか、「悪いことは続くから気をつけたほうがいいよ」など、相手の気分を暗くするようなことは言ってはダメです。

「あなたほどの元気な人なら、これしきの怪我すぐにも治っちゃうわよ!」など、元気付けることが大事なのです

大雨の時
にわか雨が振ってきた時、慌てて濡れないように軒下を通ったとしてもどうせ濡れてしまいます。

だったらはじめから濡れることを覚悟しておけば、濡れたとしても何の苦にもならない。

これは全てのことに共通する心得なのです。

子供の育て方
武士の子供を育てる方法・・・。

まず、勇気を褒め称えること。脅したり騙したりするのはダメ。親の不注意から雷の音を怖気づかせたりすると、臆病心が育ってしまいます。

また小さい頃から強く叱ったりすると、内気な人間になってしまいます。

また、夫婦仲が悪いところで育つ子は不幸であります。

子供を育てる環境には注意が必要なのです。

日々、クビを覚悟しておくこと
浪人になったらさぞや落ち込んで最悪な生活になると思っていても、実際なってみるとそうでもない。

それは日々、覚悟をしていたからなのです。

そうすれば、いざクビになったとしても度胸がすわるもの。

だけど、いつクビになるかとビクビク心配するという取り越し苦労は、愚かなことです。
損得だけで物事を判断するな
計算高いヤツは卑怯なヤツだ。いつも損得勘定でモノを考える。

つまり生きるのは「得」死ぬのは「損」

結局死ぬことをやめにするから卑怯者なのです

何事も死ぬ気でやれ
鍋島直茂公が言いました。「武士道とは死に物狂いである。そうした1人を倒すのに、数十人がかりでも敵わない場合がある」

正気でいては、大仕事を達成することはできません。

死に物狂いでやれば達成できるのです。

武士道では、思慮が生まれ出ると、その時点ですでに遅れをとったも同然。

武士道は死に物狂いがあるばかり。そうした中に、忠考が自然に宿るのであります。

困難にぶつかったら喜べ
困難に出会った時は、おおいに喜んで勇んで突き進むべき。

これはいってみれば一つの段階を超えたことになるのです。

名人も人、そして自分も人
どんな名人であろうとも、自分はそれに追いつけないと思うのはふがいないことです。

名人も人、そして自分も人。

どこが劣るであろうか?と、奮発するべきです。

七呼吸の間に判断せよ
鍋島直茂公は「万事だらだらしてると、十に七は悪くなる。武士は物事すべてを手っ取り早くやるべきである」と言いました。

龍造寺隆信公も「思案も時間が長くたてばナマクラになる」と言いました。

心がうろたえている時は、思案もなかなか決まりませんが、爽やかに凛とした気持ちになっていれば、七呼吸の間に判断がつくものです。

落ち着いて、吹っ切れた気持ちで七呼吸しなさい。

部下は褒めて育てろ
義経について書かれた和歌の中に「大将は部下にたくさん話しかけろ」というのがあります。

普段から何かと声をかける。それが大事なのです。

言動に気をつけること
武士とは、初めの一言が大事です。

平和な世になって、勇を表すのは「ことば」なのです。

三十才を過ぎたら謙虚になること
世の中、説教を言う人は多いけど、逆に説教を喜んで聞く人は少ない。

ましてその説教をよく理解して、実践する人は稀であります。

年齢も三十を過ぎた人には、説教をする人も少なくなります。

すると説教されないので、わがままになり始めるからつまらぬことをしてダメになっていくのです。

三十を過ぎたら、説教を受ける必要があるのです。

若いうちは苦労しなさい
サラリーマンにとってやってはいけないこととは「大酒・自慢・贅沢」です。

特に幸せな時、この3つは命取りになります。

ちょっとうまくいっていると、調子にのって自慢や贅沢三昧。とっても見苦しいことです。

だから人は苦しい目にあっていないと根性が座らず、まして若いうちは苦労の多いほうがいい。

さらに苦労が多く不運のとき、疲れてしまうような人間は役に立つものではない。

昔は良かった・・・と懐かしがってばかりいてはいけない
今の世の中を、百年前の昔の良い時代と同じようにしようと思っても無理なこと。

その時代その時代に応じて、良くなるように努力することが大事なのです。

昔のことを懐かしがってばかりいる人が間違うのは、こうした点が理解できていないからなのです。

そうかといって、現代風のことばかりを良いと思い込んで、昔風を嫌う人は思慮浅くうわっつらだけの人間なのです。

チャンスを逃すな
上杉謙信公が「ワシは勝つためのコツなど知らない。ただ、チャンスを捉えて逃がさぬことだけは知っていた」と言ったそうです。

これは非常におもしろい言葉である。

人間の一生は、まことにわずかな事である
人間の一生など短いものである。

とにかくしたいことをして暮らすべきである。

もちろん、このことを悪く解釈しないでほしい。

若い人には話すことができなかった、私の秘伝といったものである。

ちなみに私は寝ることが大好きだ。

寝て暮らしたいと考えているのです。

沈黙は金なり
人の事をアレコレと言うのは、大きな損失であります。

といって、褒めまくるのもダメです。

自分の身の程をよく知り、自分自身の修行に努力し、口を慎むのが良い。

人生、慌ててはいけない
慌てていると、大事なことを失敗してしまうことがある。

まだまだ先は長いと思っていれば、逆に早く望みを達成できるものです。

老人の戯言と軽蔑しないこと
深く経験をつんだ人の話を聞くときは、たとえ自分が知っていることでもありがたく聞きなさい。

同じ事を10回・20回と聞くうちに、ふと「なるほど!」と思うときがあります。

その時は普通の時と違い、特別の意味をもってくるものです。

あがらない方法
大切な場所へ行くときは、耳たぶにつばをつけ、深呼吸して、ありあわせの品を突き倒しながらでかけることだ。私の秘法である。

気持ちが高ぶったときは、耳につばをつければ、たちまち元に戻る!

いかにもやり手に見えることは損である
見た目が「できる!」というような人は、たとえ立派なことをしても「当たり前だ」と思われてしまいます。

といって、人と同じようなことをしたら「なんだアイツ。たいしたことないな」と思われてしまいます。

が、一見おっとりしてる人が少しでも目立ったことをやれば「すごいな!」と、多くの人が褒めてくれます

寡黙であること
ものを言うという行為に関して一番いいのは黙っていることであります。

言わなければならないことを言葉少なく筋道立ててわかりやすく話すべきです。

なんとなーく口を開いて恥を晒す人が多いのです。

毎朝、前もって死んでおけ
毎朝、心をしずめ、弓や鉄砲・刀で切り裂かれ、大波に飲み込まれ、大火の中に飛び込み、雷に打たれ、大地震にあい、病死するなど、さまざまな死に様や自分の末期のことを考え、毎朝ゆるみなく死んでおけ。

大仕事をするには、小さなミスは気にするな
大仕事をする人は、欠点がなければできないのだという大きな心を持っておきなさい。

少しくらいの間違いはかまやしないのです。




                                        
どうでしたーー??葉隠の精神!

ホントはもっとカッコイイ言葉で、もっとたくさんの教訓が書いてあるんですが、わかりずらいので現代風にアレンジしちゃいました。

何百年前の武士道でも、現代に通づるところがありますよねー!

武士道と云うは死ぬことと見付けたり

毎朝、前もって死んでおけ。

などなど、武士道を語ってる作者が「人生は短いんだよ。好きなことをやっておけ。だけどこれはワシの秘策じゃー!若い人には言わんぞー!」なんて書いてるトコも、お茶目な感じがしちゃいますよネ♪


葉隠についてのオススメ参考文献はこちら

武士道というは死ぬことと見つけたり ←初級向け 「武士道というは死ぬことと見つけたり」

葉隠スピリッツを「マンガ」で説明してます。

葉隠の精神がめちゃくちゃわかりやすく書いてあります!

葉隠入門 ←中級向け 「葉隠入門」

三島由紀夫の「葉隠入門」です。

前半は三島由紀夫は「葉隠」について熱く語ってます。後半は、葉隠の解説についてです
葉隠 上

葉隠 中

葉隠 下 
←上級向け  

たくさん葉隠の精神が載っていますが、慣れてない人には難しいです。

言葉も現代風になってないのでネ・・・。ハガクレも読むのに苦労しました(笑)

というか、読むというより「見た」って感じです(^^;)



このほかにも、たくさんの「葉隠」の本がありますヨ♪

まとめてみたので、チェックしてみてね!
★葉隠の本をチェック★

ぜひ読んでみて「武士道」にどっぷりつかってください(^o^)